液晶ディスプレイを修理しました

    
2022年 4月 3日 掲載

昨年末からの多忙の極みだった業務が年度が改まって一段落、懸案だったある製品の修理をしました。

7年前くらいのiiyama製液晶ディスプレイE2280HSです。HDMI入力で映像が出ません。HDD録画機のHDMI出力を接続し、映像入力をHDMIに切り替えるも「信号がありません」とOSDは言います。

他の映像入力(VGA)ではきちんと映像が出るので、入力端子から信号処理チップに至るまでのどこかに問題があるのだろうと推測しました。

さっそくばらして基板を顕微鏡で観察すると、HDMIコネクタの近くの抵抗が…。片方の電極が砕けてなくなっている(ように見える)のを発見!1005パッケージなので、顕微鏡でないと見逃してしまいそう。

長方形の枠内、R153の左の電極がなくなっている

パターンを追跡すると、コネクタの18番と19番の間に接続されています。18番は+5V、19番はHPD(Hot Plug Detection)なので、プルアップされているべきHPDがされていないためにコネクタが挿入されたことが検出できないのかもしれません。

思い切って手持ちの抵抗に交換したところ、見事に復活しました!

廃棄せずに、PCのセカンドディスプレイ兼HDD録画機用モニターとして再活躍できることになったわけですが、そもそもなぜこんなところの抵抗が砕けてしまったのでしょう。

コネクタのすぐ近くだったので、コネクタ挿抜時の応力が集中したのが主因ではないかと思います。一応コネクタメーカー側もそれは考えているらしく、コネクタの金属シールドがディスプレイ筐体に固定されるようにねじ止めされてはいます。ただ、ねじ止め個所は1つだけで、はんだ付けされる側(基板と固定される側)とは逆側についている。機械的仕様が間違っているのでは?と思わずにはいられません。


Pythonを使う

    
2020年 10月 12日 掲載

EagleのBRDファイル内の線(wire)を集めて多角形(polygon)を生成するフィルタープログラムをPythonで作りました。

CADで起こしたプリント基板の外形をEagle 7.7に取り込む際は、DXFファイルを経由します。ただ、EagleでインポートしたDXFは複数の線の集合にしかならず、いわゆる「塗りつぶし」が表現できません。そこでいったんEagleのBRD形式(XML)をXMLファイルとして書き出し、これをスキャンして接続できる線の頂点同士を集め、閉じた多角形にまとめて上げて元の線群と入れ替えます。

XMLが手軽に扱える「古くない」スクリプト言語を調べるとPythonに行き当たりました。自分としては初めての言語だったのですが、取り掛かってから4日程度で上記のプログラムが書けました。

Scalaで関数型プログラミングを経験していたので習得が早かったようです。でもインデントがブロックの意味を持つって…。昔、並列プログラミング言語でOccamっていうのがありまして、それを思い出しました。

mapやlambdaが使えるスクリプト言語Pythonで書いたフィルターのごく一部

筐体(プラケース)加工もできます

    
2018年 5月 28日 掲載

昨年よりCNC(コンピュータ数値制御)マシニングを始めました。手回し式のフライス盤にステッピングモーターと制御・駆動回路を取り付け、PCからGコードによる自動制御で切削加工をします。

市販のプラスチックケースにLEDやスイッチ、コネクタ穴を開けられますので、基板製造からケース組みまで一貫してお引き受けできます。

ただ、元になったフライス盤の大きさから最大加工寸法は140㎜×100㎜程度が限界です。


Eagleで(非公式)特殊記号

    
2016年 10月 14日 掲載

プリント基板の設計にCadSoft社の「Eagle」を利用しています。日本語などの2バイト文字に対応していないのですが、それほど困ることはありません。ただ、回路図やシルク印刷内のテキストオブジェクトに「Ω」や「±」、「μ」、「φ」などを入れたくなることが時々あります。

ネットを検索していると「Ω」の入れ方を紹介しているサイトがありました。「Û(U + circumflex)」を使うのだそうです。これは16進数で言うとDBに相当します。その紹介ページから「Û」をコピーし、Eagleのテキストボックスに入力すると見事に「Ω」が出現しました。

ohm

もしかしたら他にも特殊記号があるのではないかと調べてみると、「Φ」は「Ø」D8、「φ」は「Ý」DD、「±」は「±」B1できちんと出るではないですか。ここではすべて紹介しませんが、どうやらISO8859-1をベースにところどころ独自の定義を入れているようです。

ちなみに、この芸当ができることを確認したのは「ベクターフォント」のみです。

また、CadSoftのヘルプによれば、128(16進で80)以上のコードは独自の拡張なので、他のフォントで正しく出るとは限らないと書いてありましたので、納得したうえで使いましょう。